友人はフランス旅行で高価な「ブランド品の財布」を買ったそうです。「高かったでしょ?」と聞いたところ「VATが戻ってきたからお得だったよ」との回答。「VAT」とは何ですか?
海外旅行の楽しみのひとつとして、ショッピングが挙げられるでしょう。日本で買うと高価なブランド品でも、海外で買う方がいくらかでも安価に買えたり、国や地域によっては購入したときにかかった税金が還付されたりすることもあります。   そのように旅行者に還付される税金として、EU圏各国やアジア諸国などで導入している「VAT」という制度があります。本記事では、「VAT」とはどのような制度で、どのような手続きで還付されるのか、お得に海外でのショッピングを楽しむための知識を解説します。

「VAT(付加価値税)」とは?

「VAT」とは、日本語では「付加価値税」と訳され、英語での「Value Added Tax」の頭文字の略です。日本での消費税のような間接税の一種で、物やサービスの購買時に課されます。
 
EU加盟国では必ず課税され、標準税率の下限は15%となっているものの、上限は定められていないため品物を購入する国によって税率は異なります。また、軽減税率が適用される商品もあり、食品類はおおむね税率が低い傾向にあります。
 
日本からの旅行者は、一定の基準を超えた購入額に対するVATが返還されます。
 

ヨーロッパ諸国の付加価値税率は? いくらくらい返還される?

次に、一般社団法人日本新聞協会の資料を基に、ヨーロッパ諸国の付加価値税率を表1にて確認してみましょう。付加価値税率の上限の定めはないと前述しましたが、国によって大きく税率が異なることが分かります。
 
表1

国名 標準税率(パーセント)
オーストリア 20
ベルギー 21
クロアチア 25
チェコ 21
デンマーク 25
フィンランド 24
フランス 20
ドイツ 19
ギリシャ 24
ハンガリー 27
イタリア 22
スウェーデン 25