マネーリテラシーの落とし穴!お金の知識だけでは豊かになれない理由とは
お金の知識は生きるうえで必要なものですが、人生設計を描くうえでは必ずしも十分なものとはいえません。今回は、マネーリテラシーと人権についてどのように捉えていけばよいかを考えていきます。

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お金の知識は、人々が持っている価値観に依存する

「人権」は、「個人の尊厳」を源とし、それを具体化したものです。
 
日本国憲法では「基本的人権」が保障されていますが、個人の尊厳に基づく基本的人権を保障しているため、日本国憲法は「国家の最高法規」と呼ばれます。
 
基本的人権にはいくつかの種類があり、自由権、平等権、社会権、参政権、受益権(請求権)、幸福追求権(新しい人権)に大別されます。そして、それぞれの人権のなかに、さらに具体的な権利が細かく分類されています。
 
さて、私たちは生きていくために働き、収入を得ます。そうでなければ、人生設計を組み立てるのは難しいでしょう。万が一、自分の勤めている企業が身の安全を図ってくれないとしたらどうなるでしょうか。
 
仕事を辞め、収入が途絶えたり、たとえ職場に残っても不利益な扱いをされ、心身ともに大きなダメージを受けたりする恐れがあります。そして、仮にこのような事態に遭遇してしまった場合、人生設計に狂いが生じます。
 
私たちは、人生設計(ライフプラン)をある程度イメージしながら生きています。その過程でお金の知識(マネーリテラシー)が必要になってきますが、お金の知識を持っているだけでは、企業のガバナンス不全に対応することはできないでしょう。
 
なぜならば、人権侵害はお金の話ではなく、法律の話であったり、組織風土の話であったり、人間関係の話であったりするからです。だからこそ私たちは、私たちを取り巻く環境を意識する必要があり、また、そこに流れている共通の価値規範に関心を持つ必要が出てくるのです。
 

お金の知識は、基本的人権をもとに、社会をよくするために活用する