今春、社会人になります。親に「会社に入ったら財形貯蓄を始めなさい」と言われました。どのようなメリットがありますか?
NISAやiDeCoなどの投資は余剰資金で行うのが原則です。まずは、生活の基盤を整えるために貯蓄をします。貯蓄の手段として、会社が雇用する従業員の財産づくりを国とともに支援する財形貯蓄を検討しましょう。財形貯蓄には、一般財形貯蓄、財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄があります。それぞれの概要とメリットについて解説します。   なお、財形貯蓄を利用するには、従業員が所属する企業などが、あらかじめ制度を導入していることが必要です。

▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?

一般財形貯蓄

一般財形貯蓄は使用目的を問わず、従業員(年齢制限なし)が、金融機関などと契約を結んで原則3年以上の期間にわたって、毎月の給与やボーナスから控除(天引き)により積み立てていくしくみです。財形年金貯蓄や財形住宅と異なり複数の契約もできます。
 
貯蓄開始から1年たてば自由に払い戻しできます。財形年金貯蓄や財形住宅貯蓄と違い利子等に対する非課税措置はありません。他の預貯金同様、利子等に対し20%課税されます。結婚や出産、教育などのライフイベント費用や病気など不意な支出に備えることができます。
 
積立限度はありませんが、生命保険3000万円、郵便貯金1300万円を限度とするなど、貯蓄商品によって制限が設けられている場合があります。
 

財形年金貯蓄

60歳以降に年金として受け取るための老後の資金づくりを目的に、55歳未満の従業員が金融機関などと契約(1人1契約)を結んで、5年以上の期間にわたって定期的に給与からの控除(天引き)により積み立て、60歳以降の契約所定の時期から5年以上20年以内(保険商品の場合、終身受け取りもできます)の期間にわたって年金として支払いを受けることを条件に、利子等に対する非課税措置を受けることができます。
 
年金以外の払い出し(一括払い等)を行うと要件違反として原則、非課税措置はなくなり、残額は財形年金貯蓄として認められなくなりますので、全額解約となります。また、利子等に一定の条件で課税されます。
 

財形住宅貯蓄