
▼「3人目3万円」に思わぬ落とし穴! 2024年12月に前倒しになった「児童手当拡充」の注意点
中学受験の志願者数はどれぐらい増えている?
近年の私立・国立中学校の生徒数で比較してみましょう。1990(平成2)年は、私立・国立中学の生徒数が約23万9000人(私立20万3000人+国立3万6000人)でしたが、2022(令和4)年には約27万3000人(私立24万6000人+国立2万7000人)へと増加しました。
一方で、小学校全体の児童数は1990年の937万人から2022年の615万人へと約35%減少しています。それにもかかわらず私立・国立中学に通う生徒数は増えており、内部進学者を差し引いたとしても、少子化の中でも中学受験をしている人の割合が増加していると考えられます。
特に首都圏などの都市部では、中学受験の志願者数が多い傾向にあり、クラスの半数が受験する学校も珍しくないのかもしれません。
中学受験の志願者数が増えている理由は?
中学受験の志願者数が増加している背景には、学校数の増加、大学進学率の上昇、そして大学入試改革の影響があると考えられます。
まず、私立中学校の数は1990年の609校から2022年には780校へと増加しています。これは、私立中学校への需要の高まりとも捉えることができるでしょう。一方で、国立中学校は1990年の78校から2022年には68校へと減少しており、以前と比べて受験できる学校数は限られています。
また、4年制大学への進学者数は1990年の48万人から2019年には63万人へと増加しており、さらに、短期大学よりも4年制大学を目指す流れが強まっています。こうした大学進学の変化を見据え、早い段階で進学準備を始めるために中学受験を選択する家庭が増えていると考えられます。
加えて、私立・国立中高一貫校の中には、大学入試改革に対応すべく、探究型学習や英語教育が充実している学校もあります。そうした環境を重視する家庭にとっては、中学受験が選択肢の1つとなり、受験者数の増加につながっているといえるでしょう。