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インフルエンザで会社を休む場合は有給休暇として処理される?
まずは「インフルエンザで会社を休む場合は有給休暇として処理されるのか?」という疑問について確認していきましょう。
これについては、インフルエンザにかかった従業員本人が希望した場合は有給休暇として処理されることになります。労働基準法第三十九条に「有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない」という記載があるように、会社は従業員が希望するタイミングで有給休暇を与える必要があります。
つまり、インフルエンザで会社を休む際に有給休暇を使用するかどうかは、従業員が判断するべきと考えていいでしょう。従業員が希望していないにもかかわらず、有給休暇扱いにするよう会社が決めることはできません。ただし、有給休暇が残っていない場合は欠勤扱いになると考えられます。
インフルエンザで休む際に有給休暇を使えることを知らない人もいるかもしれないので、事前に会社に確認しておくといいでしょう。
会社が出勤停止を命じた場合は有給? 無給?
学校と違い、企業の従業員がインフルエンザにかかっても出勤停止になることが法律で決められているわけではありません。そのため、インフルエンザでも本人の意思により出勤することが可能な場合もあります。
しかし、インフルエンザにかかっている状態で出社されるとほかの従業員に感染してしまうおそれがあるため、会社によっては就業規則で「インフルエンザは出勤停止とする」と定めていることもあるようです。この場合、会社から休業手当が支給される可能性があります。
休業手当については労働基準法第二十六条に「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない」と定められているので確認しておきましょう。
ただし、季節性インフルエンザではなく新型インフルエンザにかかった場合は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」で一定期間の就業制限が義務づけられているため、会社は従業員に休業手当を支払うことなく欠勤扱いにできます。