派遣で「時給2000円」の仕事をしています。「正社員」になった場合の収入とどのくらい差があるのでしょうか?
現在は、「同一労働同一賃金の原則」により、派遣社員と正社員は、基本給・賞与、退職金・各種手当福利厚生・教育訓練に差があってはならないとされています。しかし、「本当に派遣社員と正社員の収入は同じなのか」と疑問に思っている方もいるでしょう。 本記事では、時給2000円で働いている派遣社員を例にとり、正社員との収入差がどのくらいあるかについて解説します。

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派遣と正社員の平均給与

国税庁が行った「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、正社員の平均年収は約530万円、正社員以外の平均年収は約202万円という結果が出ました。なお、「正社員以外」には、短時間で働くパートやアルバイトも含まれます。平均年収の差を計算すると、正社員と正社員以外では301万円です。
 
一方、時給2000円で1日8時間働いた場合、日給1万6000円、月20日働いた場合は32万円、ボーナスなしで考えると、年収は384万円です。
 
そこから税金や保険料を引いた額が、手取りです。ただし、派遣社員の場合交通費等が時給に含まれていることもあります。また、時給計算で欠勤が多い場合は、賃金が下がる可能性もあるでしょう。

 

同一労働同一賃金の原則

派遣社員として働く年数が長いほど、正社員と差がつきやすくなります。そのため、生涯賃金には大きな差がつくこともあるでしょう。
 
しかし、派遣社員が正社員と同じ職務内容の場合、同一労働同一賃金の原則により、派遣社員と正社員の間で基本給・賞与、退職金・各種手当福利厚生・教育訓練に不合理な待遇差があってはならないとされています。
 
また、同一労働同一賃金の原則は賃金だけでなく、福利厚生や各種手当も対象となります。住宅手当や交通費、ボーナス、退職金など不合理な差別的取り扱いが禁止される対象となります。