自営業だった両親は年金が少なく、生活費が心配です。少しでも助けられればと思い仕送りを考えていますが、贈与税はかかるのでしょうか?
自営業者の老後は年金が主な収入となりますが、年金のみでは生活費が不足する人もいます。自営業だった両親が老後の生活に困らないよう、仕送りを検討する人も多いでしょう。ただし、仕送りが贈与とみなされ税金が発生してしまうこともあるため、贈与税のルールを理解し、適切に対応することが大切です。   そこで本記事では、自営業者の年金事情や、仕送りに関する税金の注意点について解説します。

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自営業者は会社員と比較すると年金が少ない

自営業者や個人事業主として働いてきた人は、国民年金(老齢基礎年金)が老後の主な収入です。国民年金保険料は所得にかかわらず月額1万6980円(令和6年度)と一定で、会社員が加入する厚生年金と比べると毎月支払う金額の負担は比較的軽いですが、その分受け取れる年金額も少なくなります。
 
老齢基礎年金の支給額は、納付期間に基づいて決まります。日本年金機構の主要統計によると、令和6年9月末現在の平均支給額は月5万8267円と厚生年金と比べると大幅に少ないため、自営業者であれば老後の生活費が十分にまかなえないケースもあるでしょう。
 

両親への仕送りで贈与税が発生するパターンもある

両親の生活費や通院、介護費用など必要な金額を仕送りする場合、基本的には贈与税はかかりません。しかし、状況によっては贈与税が発生するケースもあります。例えば、まとめて大きな金額を渡す場合です。両親の生活に必要以上の金額を仕送りすると、贈与とみなされ課税対象となる可能性があります。
 
贈与税の支払いを避けるためには、送金した金額が生活費や医療費、介護費用として使われたものであると証明しなければなりません。通院費や介護費用の領収証を保管し、送金が具体的な支出に対応していることを記録しておくと安心です。
 

仕送りの金額を年間で110万円以下にすれば贈与税は発生しない