2025年度から国民健康保険料の上限が「3万円」引き上げ!年間支払い額はどう変わる?
国民健康保険は、被用者保険や後期高齢高齢者医療制度に加入していない、自営業者やフリーランス、無職の方などが加入する公的医療保険制度です。加入者が支払う国民健康保険料は、2025年度より上限額が3万円引き上げられることが決まっています。   多くの加入者に影響を与える可能性がある保険料の変更について、本記事ではどのような影響があるのかをまとめました。

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保険料の上限額引き上げの概要

国民健康保険料の算定基準、徴収期限、方法などは、居住している市町村の条例(国民健康保険組合は規約)で定められており、世帯単位で算定します。
 
世帯所得などに応じた部分の上限額(賦課限度額)が、現行の89万円から92万円に3万円引き上げられますが、40歳から64歳の方が納める介護保険料の17万円は据え置かれ、保険料全体の上限額は109万円となるようです。引き上げは、厚生労働省が社会保障制度を維持するために、保険財政の改善を目的として実施するものです。
 

引き上げの背景

保険料の上限が引き上げられるのは4年連続で、以下のような理由があります。

●高齢化の進行に伴う医療費の増加
●持続可能な制度運営のための対策
●所得の高い層により多くの負担を求める形

日本では高齢者人口が増加しており、国民医療費は年々増加しています。2024年の総務省のデータによると、65歳以上の高齢者が3625万人と全体の29.3%を占めており、医療費の負担が大きくなっていることがわかります。医療給付制度を維持するために、保険料の引き上げが続いているといえるでしょう。
 
また、所得が高い人に対してより多くの負担を求めることで、低・中間所得層の負担を軽減する狙いもあります。
 

引き上げの影響を受ける世帯とは