子どもが「どうしても県外の大学に行って一人暮らしをしたい」と言いますが、わが家にそこまでの余裕がありません。子どもにアルバイトがんばってもらえばなんとかなりますかね?
子どもが県外の大学への進学を希望する一方で、家庭の経済的な事情からその実現が難しいと感じている親御さんは少なくありません。   特に一人暮らしが必要になる場合、その費用負担は家計に大きな影響を与えることがあります。では、子どもにアルバイトをがんばってもらうことで、現実的に県外進学が可能になるのでしょうか?   本記事では、進学にかかる費用やアルバイトで生活費を賄える現実性、さらに家計負担を減らすための支援制度や奨学金について解説し、家族みんなで夢をかなえるための方法を考えていきます。

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県外大学への進学にかかる費用はどれくらい?

県外大学に進学し、一人暮らしを始める際には、学費や生活費、住居費など、さまざまな費用がかかります。その総額は家庭にとって、大きな負担となることもあります。図表1は、一般的に必要とされる費用の目安をまとめたものです。
 
図表1

費用項目 内容 年間費用の目安
学費 国公立大学の場合、年間約54万円。
私立大学の場合は文系で約97万円、理系で約130万円。※1
約54~132万円
住居費 都市部では月5~8万円程度。
地方では月3~5万円程度。
地域によって大きく異なります。
約36~96万円
生活費 約5~6万円。
食費、交通費、日用品などが含まれる。※2
約60~72万円
初期費用 敷金(家賃1~2ヶ月分)
礼金(家賃1~2ヶ月分)
仲介手数料(家賃1ヶ月分)
引っ越し費用、鍵交換費、家具購入費、保険料などが必要。
約20~30万円
※初年度のみ

※1 出典:文部科学省「私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」にもとづいて筆者作成
※2 出典:全国大学生活共同組合連合会「第59回学生生活実態調査 概要報告」にもとづいて筆者作成
 
図表1から分かるように、年間の総費用は国公立大学で約150万円、私立大学では約300万円を超えることもあります。家庭での負担を軽減するためには、この総額を把握したうえで、費用ごとの優先順位や工夫できる部分を検討することが重要です。
 
特に住居費や生活費については、地域差が大きいので、大学周辺の環境を事前に調査することをおすすめします。
 

アルバイトで生活費を賄えるのか? 子どもに求める現実的な負担とは