賃貸住宅で独り暮らしの50代。持ち家でないと「年金15万円」では生活は成り立たない?
定年が近づくにつれ、退職後の生活について不安や悩みを抱く方は多いようです。これまで老後資金として着実に資産形成を行ってきた人であっても、「生活は成り立つのか」「枯渇するのではないか」とネガティブに考えることもあるでしょう。   特に「賃貸で独り暮らしをしているけれど、年金だけで生活できるのか」といったように、住まいに関わるお金は悩みの種となりがちです。人生100年時代といわれ、退職後の期間は、現役時代よりも長くなる可能性もあります。   しかし、先のことは分かりませんが、予測することは可能です。不安を安心に変えるため、具体的な数字でライフプランを考えてみましょう。

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退職後のライフプランを考える

漠然とした不安を感じる要因は、「退職後の生活についてイメージできないこと」だと考えられます。ただ、退職が視野に入る年代であれば、家族構成や働き方に変化が生じる可能性は、20代・30代・40代と比較すると低くなるため、ある程度の予測は立てられるのではないでしょうか。
 
まず、給与収入に代わる年金について具体的な金額を把握しているでしょうか。毎年誕生月に郵送される「ねんきん定期便」に記載される年金額はおおむね信用できる金額です。また、「ねんきんネット」は、日本年金機構のホームページもしくはマイナポータルから利用登録することで、いつでも自分の年金額を確認することができます。
 
お勤め先に退職金制度がある場合には、金額や受け取り方について確認するようにしましょう。多くの場合、60代・70代のアクティブシニアといわれる世代では、趣味やおつきあいなど何かと支出も多く、公的年金だけでは足りないのが現状のようです。
 
すでに十分な資産がある場合は別として、「継続雇用」「再就職」等により収入を得ることも選択肢です。いずれにしても、退職金は、退職後の生活の資金源となります。受け取れる金額を知ったうえで、計画的に有意義に「使う」計画を立てたいものです。
 
そのうえで、現在の生活費を維持するのか、若干縮小するのか考えましょう。おそらく、ネット情報や統計データの平均値の金額よりも、自分自身の現在の生活費をもとに予算を検討したほうが現実的で妥当な金額となるかと思われます。
 
その際、生活費として「使う」お金、病気や介護、また慶弔や突発的な家電の買い替えなど緊急予備資金として「備える」お金、家族や次世代に「残す(遺す)」お金などに分類することがおすすめです。目的や数字を「見える化」することで、今後の生活についての漠然とした不安が少しずつ解消されてくるはずです。
 

「持ち家」と「賃貸」では支出額に差があり、賃貸では生活が成り立たない?