
▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
医療費控除とは
医療費控除とは、一年間に支払った医療費が10万円(所得の合計額が200万円以下の人は、所得の合計額の5%)を超えた場合に、税金の控除が受けられる制度です。控除の対象は本人だけでなく、その方と生計を一にする配偶者やそのほかの親族も含めます。
医療費控除を受けるためには、「医療費控除の明細書」を所得税の確定申告に添付する必要があります。また、医療費の領収書は5年間保管しなければなりません。
原則として領収書が必要
医療費控除を受けるには、原則として領収書が必要です。日頃から、病院にかかったときの領収書や薬をもらった際のレシートなどは保管しておきましょう。
「治療を受けた人」別や「病院・薬局」別などで仕分けしておくと、申請する際に便利です。
もし領収書をなくしてしまった際は、再発行してもらいましょう。再発行を受け付けてもらえない場合は、治療などを受けたことを立証できるものを持参したり、その理由と支払い内容を示したりして、税務署の窓口で相談することになります。
マイナンバーカードを利用した医療費控除とは
では、マイナンバーカードを使えば、領収書がなくても医療費控除を申請できるのでしょうか?
マイナンバーカードとマイナポータル(行政手続きのオンライン窓口)を連携している場合、医療費控除で使う医療費通知情報を取得できるようになり、確定申告書の該当項目に自動入力できるようになります。
さらに、マイナポータル経由で作成した確定申告書は、e-Tax(国税電子申告・納税システム)で税務署に送信できるため、自宅で医療費控除の申請ができます。
また、家族の医療費通知情報も取得可能です。申請したい人の医療費通知情報を取得する場合は、代理人(家族分)の登録が必要です。代理人登録の際にマイナンバーカードが必要となるため、医療費を申請する人のマイナンバーカードを準備しておきましょう。
マイナポータル連携を利用すると、医療費の領収書の収集や集計が不要になります。領収書をなくしてしまっても、再発行の依頼は必要ないようです。
ただし、マイナポータル上では医療機関や薬局で支払った「保険診療」にかかわる医療費のみ管理されているため、通院費や市販の薬を購入した際の費用などは反映されません。データが反映していないものは、自身での入力が必要となりますので、領収書は保管しておくことをおすすめします。
なお、マイナポータル上では例年原則2月9日に申告年分の医療費通知情報が取得できるようになります。それ以前については、1年分の医療費通知情報が確認できないため注意が必要です。