保険料を払うと「税金」が安くなる? 「生命保険料控除」の仕組みを解説
生命保険を論じるに当たり、無視できないものに税制があります。生命保険は税制上優遇されているために、さまざまな用途に使われている、ということもできます。   本記事では保険料と税金、保険金と税金などの関係について、説明していきたいと思います。

▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?

保険料と税金……生命保険料控除

保険料に関わる税制として「生命保険料控除」が挙げられます。生命保険料控除とは、生命保険料を支払った場合に申告できる所得控除です。2012年(平成24年)に改正になり、以前のルールよりかなり複雑になりました。
 
生命保険料控除は「新・旧生命保険料控除」、「介護医療保険料控除」および「新・旧個人年金保険料控除」から構成され、支払った保険料に応じて、それぞれに上限額が設定されています。また、「新・旧生命保険料控除」または「新・旧個人年金保険料控除」にまたがる場合は、その計算方法と上限額も設定されています。

そのようにして計算された控除額の合計に対して、全体の上限額が設定されるという、複雑な構成になっています。
 
そして、最終的に全体の上限額12万円(所得税の場合)まで、生命保険料控除が受けられます。詳しくは、図表1を参照してください。
 
注)新契約とは2012年(平成24年)1月1日以後に締結した保険契約等に係る保険契約をいい、旧契約とは2011年(平成23年)12月31日以前に締結した保険契約等をいいます。新・旧契約では、上記に説明したように、生命保険料控除の取り扱いが異なります。
 
図表1

図表1

国税庁タックスアンサーNo.1140「生命保険料控除」から引用
 

生命保険料控除の意義

生命保険料控除の対象となる保険契約には、生命保険契約、介護医療保険契約および個人年金保険契約があります。死亡保障を主な機能とする保険だけでなく、資産運用を主目的とする保険契約にも死亡保障がついているので、生命保険料控除の対象になります。
 
そのため、資産運用を投資信託や株式で行うときと比べると、生命保険料控除が受けられるだけ、資産運用保険の方が有利、ということができます。
 

生命保険料控除の計算