教育費のために「月5万円」を、子どもの預金口座に貯金しています。18年後には「1000万円」になる予定ですが、子どもに通帳を渡したら“贈与税”がかかりますか?
子どもの教育費(幼児~大学まで)は、入学金や授業料などで約840万~2400万円のお金がかかるとされます。そのため、子どもが小さいときから貯金をしている家庭もあるでしょう。   しかし、子ども名義の通帳に貯めていたとしても、場合によっては贈与税がかかってしまう可能性があります。贈与税の対象となるケースや負担を軽減するための方法について確認しておきましょう。

▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?

年間110万円を超えると贈与税がかかる

子ども名義の通帳にお金を貯めておくのは、教育費や結婚祝いなど将来のために役立つ1つの方法です。しかし、1年間に渡したお金の合計が110万円を超えた場合には「贈与税」が発生します。
 

贈与税の仕組みとは?

贈与税は、個人から贈与により財産を取得したときにかかる税金で、基礎控除額110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。つまり、親や祖父母が子どもに渡したお金が年間110万円を超えた場合、その超えた分に対して課税されます。子ども名義の通帳に1000万円を一度に入金すると、110万円を差し引いた890万円が課税対象になります。
 
贈与税の税率は、金額が大きくなるほど高くなります。1000万円を子どもに渡した場合、贈与税は以下の通りです。

●18歳以上の子に贈与する場合、特例税率が適用され177万円
課税対象890万円に税率(30%)をかけて、控除額の90万円を引いた額
●18歳未満の子に贈与する場合、一般税率が適用され231万円
課税対象890万円に税率(40%)をかけて、控除額の125万円を引いた額

このように一度に大きな金額を子どもに渡すと、多額の税金がかかります。
 

名義預金とみなされるリスク

また、「名義預金」とみなされるリスクにも気を付けたいところです。名義預金とは、通帳は子ども名義でも、実際には親が管理し、自由に使える状態を指します。この場合、税務署はそのお金を親の財産と判断します。
 
例えば、親が通帳や印鑑をずっと管理していて、子どもが大人になったときに「1000万円貯めておいたよ」と渡したとします。贈与税がかからないように、貯金額を年間110万円以内に抑えていたとしても、この渡したタイミングで贈与が成立したとみなされ、課税対象になる可能性があります。
 

教育資金であれば贈与税はかからない