定年後は、70歳まで「月収9万円」で社会保険に加入しながらアルバイト。年金は「月13万円」だけど、どれだけ増える? 繰下げ受給の影響もあわせてシミュレーション
「計算すると、もらえる老齢年金が少なめだし、まだまだ健康で働けるので社会保険に加入して厚生年金を増やし、かつ繰下げ受給もしないと……」老後の生活に不安を感じ、こんなふうに考える人もいるかもしれません。   本記事では、70歳まで働き、そこから繰り下げていた年金の受給を開始する場合、受給額はどれだけ増えるのかを解説します。ぜひ参考にしてください。

▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?

計算の前提条件

本記事では以下の前提に基づいて計算を行います。
 

(1)65歳から70歳まで月収9万円のアルバイトを継続
(2)現在の年金受給額は月額13万円(年額156万円)
(3)社会保険に加入しながら働く

 

65際から70歳まで社会保険に加入にすることによる年金増加額は月額「約2500円」

会社員や公務員など厚生年金保険加入者は、原則として65歳から老齢厚生年金を受給できます。老齢基礎年金を含めた年金額の計算は、一般的には次のようになります。
 
年金額=老齢基礎年金+老齢厚生年金(報酬比例部分+加給年金額)
 
※加給年金額とは、配偶者や子どもの年齢などについて、条件を満たすと加算される年金額です。本記事における計算においては考慮しません。
 
2024年度における老齢基礎年金の満額は年81万6000円です。この老齢基礎年金については、これまでに40年間分の保険料を納めている場合には、それ以上働いても増えることはありません。
 
そのため、65歳から70歳まで働く場合、老齢基礎年金は増えず、老齢厚生年金が増加することになります。老齢厚生年金の計算における、報酬比例部分については次のように計算されます。
 
報酬比例部分の増加分=平均標準報酬額×5.481(※)/1000×働いた月数
※本記事では計算を簡易化するため、2003年4月以降の被保険者期間の乗率を用います。
 
65歳から70歳まで5年間(60ヶ月)働いて、平均標準報酬額が9万円だった場合、計算式は次の通りとなります。
 
9万円×5.481/1000×60=約3万円(年)÷12=約2500円(月)
 
以上の計算結果より、約3万円(月額2500円)年金額が増加することが分かります。
 

年金の繰下げ受給による年金増加額は月額「約5万4600円」