人間関係がうまくいかず、転職先が決まる前に会社を辞めることにしました。でも、健康保険料の支払いが心配……。どうすればいい?
人間関係が原因で、会社を退職する方は少なくありません。   令和2年度の厚生労働省の調査によると、退職した理由として「人間関係がうまくいかなかったから」を挙げた方は年代別に2~4割に上っており、特に入社まもない20~24歳と働き盛りの50~54歳の層では高くなっています。   このなかには、やむを得ず次の収入の見込みがないまま辞める方も多いのではないでしょうか。そのような方にとって、退職後に自分で支払う健康保険料は負担に感じるはずです。   そこで本記事では、退職後の健康保険料を考えるにあたり、気を付けたいポイントをご紹介します。

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家族の扶養に入れる方は、家族の健康保険に加入する

人間関係で退職した方のなかには、病院へ通っている方もいるでしょう。そこで、健康保険の手続きと内容を知っておくことは大切です。
 
勤務先を退職すると、会社を通じて加入している健康保険組合から脱退することになり、それまでの健康保険証が使えなくなります。扶養家族がいる場合は、家族分の保険証も含めて、退職時に会社へ返納しなければなりません。
 
そこで、新たに自分で健康保険に加入する必要があります。選択肢は主に次の3つです(図表1)。


1. 国民健康保険に加入
2. 退職前の勤務先が加入している健康保険を、保険料を支払って継続(任意継続)
3. 配偶者や家族が加入している健康保険に被扶養者として加入する

 
図表1

 
では、どれを選べばいいのでしょうか。
 
もし、配偶者や親、子どもが企業などに勤めている場合は、「3.配偶者や家族が加入している健康保険に被扶養者として加入する」を選びましょう。扶養に入ることができれば、追加の保険料なく、健康保険に加入できます。
 
ただし、実際に扶養に入れるかどうかは、生計同一や収入(注)などの基準を満たしている必要がありますので、必ず加入を考えている健康保険組合に確認してください。特に、次のような方は要注意です。
 
■少し休んでからアルバイトや再就職を考えている方の場合
扶養の判定基準の一つである今後1年間の収入見込みが、基準額を超えてしまう可能性がある
 
■雇用保険の傷病手当金または基本手当(いわゆる失業手当)を受け取っている方
扶養の判定基準(今後1年間の収入見込み)に含まれる
 
(注):今後1年間の収入見込みが令和6年12月現在で130万円以上かつ被保険者の収入見込み額の2分の1未満であること、など
 

扶養に入れない方は国民健康保険と任意継続の保険料を比較して選ぶ