月収や年収を比較するとき「額面」を使うのはなぜでしょうか?「手取り」のほうが分かりやすくないですか?
業種や会社別の収入を比較するときに「額面」の年収が使われることがあるでしょう。転職の際に面接官から年収を聞かれることもあり、額面で答えることが一般的です。しかし中には、実際に会社から振り込まれる「手取り」額を使ったほうが分かりやすいと考える方もいるようです。   そこで今回は、収入を比較するときに額面を使う理由について調べてみました。月給や年収の額面から手取りを計算する方法や給与明細の内訳についてもご紹介しますので参考にしてみてください。

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「手取り」ではなく「額面」を使う理由として考えられること

収入は会社から毎月振り込まれるケースが一般的であるため、「額面」の年収ではなく「手取り」や「月収」で比較したほうが分かりやすいと考える方もいるでしょう。しかし額面を使う理由として以下の点が考えられます。
 

一貫性と標準化

額面の年収とは、税金や社会保険料が差し引かれる前の年間総支給額のことです。税金や社会保険料は扶養家族の有無などによって、交通費は住んでいる地域や通勤手段によって変わるため、手取りには個人差が出てしまいます。
 
額面の年収には、ボーナスやそのほかの一時的な収入も含まれていて、年収を使うことでこれらを含めた総合的な収入を把握できます。月収だけではこれらの変動要素を反映できないでしょう。額面の年収を使うことで、異なる職業や業界間での収入が比較しやすくなると考えられます。
 

税金や控除の計算

額面の年収は税金や社会保険料の計算の基礎となり、これを基に手取りを計算するのが一般的です。なお税法上では「収入」「所得」の用語が使われます。収入は給与所得の源泉徴収票の「支払金額」の欄に記載されている額のことで、年収総額を指します。所得とは、給与所得の源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」に記載されている額です。
 

月給や年収の額面から手取りを計算するには? 給与明細を理解しよう