
▼年金「月15万円」を受け取っていた夫が死亡。妻は「遺族年金」をいくら受け取れる?
現行の遺族年金制度ではどのようになっているのか?
現行の遺族年金制度では、子どものいない夫婦が配偶者を亡くした場合、妻は30歳未満だと5年間の有期給付、30歳以上だと無期給付となっていますが、夫は55歳未満だと給付なし、55歳以上だと有期給付となります。
ただし、夫が遺族年金を受け取れるようになるのは原則60歳なので、今回の事例のように56歳で妻と死別した場合であっても4年間は給付を受けられません。
55歳未満の夫が遺族年金を受け取れないのは「男性は働いて生計を立てることが可能」という考えによるものです。
制度の改正が必要とされている理由
遺族年金制度の見直しが必要とされるようになったことには、働きに出る女性の割合が増えてきていることが影響しています。
現行の制度は、主たる生計維持者となるのは夫であり、妻が夫と死別した場合、生計を立てることは困難である可能性が高いという考えのもとで作られたものです。そのため、男女の保障内容に大きな差があります。
しかし、近年は働きに出る女性が増加し専業主婦世帯が減少するとともに、男女間の賃金格差も縮小されつつあります。このことにより、社会経済の状況は変化してきているといえるでしょう。
今回、遺族年金制度の見直しが必要になった理由には、制度上の男女比をなくすことが挙げられます。