母が「10年確定年金」を受給中、年金受給開始後3年の受取期間を残し亡くなりました。残り期間の年金受取人は私ですが、どのように課税されますか?
個人年金の確定年金は、年金受取人の生死にかかわらず、契約時に定めた一定期間年金を受け取ることができる年金保険をいいます。年金を受け取る期間は、5年、10年、15年、20年等があります。万一、年金受取期間中に年金受取人が亡くなった場合には、遺族(年金継続受取人)が残りの期間の年金を受け取ります。   本記事では、年金受給権の取得者に対する課税関係を解説します。

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年金給付開始時の税金

個人年金保険の受取年金の課税関係については、保険料の負担者および年金の受取人が誰かによって、課税関係が決まります。
 
保険料の負担者と年金の受取人が同一人の場合には、所得税(雑所得)が課税されます。保険料の負担者と年金の受取人が異なる場合には、保険料を負担する者から年金の受取人に対し、「年金を受け取る権利」が贈与されたものとみなされ、給付事由が発生した時点で贈与税が課税されます。
 
ただし、毎年支払いを受ける際にかかる所得税(雑所得)については、年金支給初年度は全額非課税となり2年目以降は課税されます。
 
ところで、個人年金保険の年金受取人が死亡し、遺族の方が個人年金保険の年金受給権を取得した場合の課税関係はどうなるのでしょうか。以下で、遺族の年金受給権の課税について見てみましょう。
 

死亡した人および年金受給権の取得者が保険料負担者ではない場合

新たに継続年金の受取人になった人は、亡くなった年金受取人から継続年金を受け取る権利を相続により取得したと考えるのが自然かもしれません。
 
しかし、亡くなった人および年金受給権の取得者が保険料負担者ではないケースでは、取得した年金受給権は、贈与により取得したものとみなされて再度贈与税の課税対象となります(相続税法第6条第3項、相続税法基本通達3-45(2))。
 

死亡した人が保険料の負担者であった場合