50歳で“セミリタイア”した独身の友人。「貯蓄が5000万円あるから大丈夫」と言いますが、老後まで生活費は足りるのでしょうか?
会社を早期退職し、必要最低限の収入で生活することを「セミリタイア」といいます。あなたの身近にも、セミリタイアをした人がいるかもしれません。もしくは、ご自身でセミリタイアを検討している、という人もいらっしゃるでしょう。   セミリタイアを検討する際に気になるポイントといえば、生活費です。仕事を辞めても生活費を捻出できるのか、疑問を抱いている人もいるでしょう。   今回は「50歳・独身・貯蓄5000万円」でセミリタイアをした場合、その後の生活費を賄えるかについて解説します。

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貯蓄5000万円でセミリタイアできる?

厚生労働省「令和5年簡易生命表」によると、令和5年時点で50歳男性の平均余命は、32.60歳です。そこで今回は、余命を33年と設定し、50歳でセミリタイアした後の家計収支を計算します。
 
総務省統計局の2023年「家計調査/家計収支編」によると、単身・勤労者以外の世帯における消費支出月額は、平均15万4665円とのことです。33年分に換算すると、以下の金額になります。
 
・15万4665円/月×12ヶ月/年×33年=6124万7340円
 
一方、65歳以降になると年金を受給できます。厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金月額は、併給する老齢基礎年金の額も含めて、14万7360円でした。65歳から83歳になるまでの18年間受給した場合の総額は、次の通りです。
 
・14万7360円/月×12ヶ月/年×18年=3182万9760円
 
この値(3182万9760円)を前述の消費支出額6124万7340円から引くと、2941万7580円となります。よって、貯蓄5000万円で賄える計算になります。アルバイトなどの収入も足すと、さらに負担は減るでしょう。
 
ただし今回の計算については、以下の点に注意が必要です。