アルバイトをしながら大学に通っています。「勤労学生控除」という制度があると聞いたのですが、正社員でなくても申請できますか?
年末調整や確定申告の時期になると、基礎控除48万円と給与所得控除の最低額55万円を併せた、いわゆる「103万円の壁」が話題になることがあります。「103万円の壁」とは、年収が103万円を超えてしまうと、給料に所得税が課税されてしまうというものです。   では、皆さんは「勤労学生控除」という言葉をご存じでしょうか? 本稿では、勤労学生控除について見ていきます。

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そもそも勤労学生とは?

勤労学生控除の「勤労学生」とは、どのような学生をいうのでしょうか?
納税者自身が勤労学生の場合は、一定金額の所得控除を受けることができ、これを勤労学生控除といいます。
 
控除対象者の要件としては、学校教育法に定められた学校に通っている児童・生徒や学生が対象です。つまり、小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校です。また専修学校は、高等課程も専門課程も、どちらも対象になりますが、対象になる学校の要件がいくつかあります。
例えば、1年間の授業時間数が800時間以上あること等です。なお、職業訓練学校の学生も対象になる場合があります。
 

働き方は?

では、どのような働き方が対象になるのでしょうか?
 
給与所得者であればよく、正社員やパート、アルバイト等、雇用形態は問われません。しかし、いわゆる業務委託や個人事業で得た事業所得は、勤労学生控除の対象外です。
 

所得にも要件があるの?

まず、「合計所得金額が75万円以下」という要件があります。収入がアルバイトの給料だけという方の場合、アルバイトで得た所得が75万円以下(年収では130万円以下)で、先述の勤労学生に該当すれば、勤労学生控除の対象になります。
しかし、アルバイト等の給与所得以外の所得が10万円を超えてしまうと、勤労学生控除の対象にはなりません。給与所得以外の所得とは、例えば事業所得です。
 
アルバイト等で得た給与所得が70万円、事業所得が5万円という方の場合は、合計所得金額が75万円以下かつ給与所得以外の所得が10万円以下ですから、勤労学生に該当すれば、勤労学生控除の対象になります。
 

肝心の控除額は?