親の介護で会社からサポートが出る?「両立支援等助成金」とは
親の介護と仕事は、どちらも大切にしたいものですが、実際には大きな負担となることがあります。ところで、企業が一定の要件を満たすことで国から助成金を受けられる制度があることをご存じでしょうか。この助成金がどのようなものなのか、どのように活用できるのかについて見ていきましょう。

両立支援等助成金とそのコース一覧

両立支援等助成金は、従業員が仕事と家庭を両立できる職場環境の整備を目指す事業主をサポートするための制度です。この助成金には、以下の6つのコースが設けられています。
 

・出生時両立支援コース
・介護離職防止支援コース
・育児休業等支援コース
・育休中等業務代替支援コース
・柔軟な働き方選択制度等支援コース
・不妊治療両立支援コース

 
これらのうち、介護に関する支援を目的としたのが「介護離職防止支援コース」です。
 

介護離職防止支援コースの概要と助成内容

介護離職防止支援コースは、介護を理由にした離職を防ぐために、介護休業の取得促進や職場復帰の支援、柔軟な働き方制度の導入を行う事業主に対して助成される制度です。助成金額と主な要件は表1の通りです。
 
表1

助成内容 支給金額 主な要件
介護休業取得時 30万円 ・対象労働者と面談を行い、介護支援プランを策定すること
・5日以上の介護休業を取得させること
職場復帰時 30万円 ・休業を取得した労働者に対し、復職後にフォロー面談を実施し記録すること
・原則として元の職務に復帰させ、3ヶ月以上継続雇用すること
介護両立支援制度 30万円 ・労働者と面談を行い、介護支援プランを作成すること
・介護両立支援制度を20日以上利用させること
・申請時点で継続雇用されていること

出典:厚生労働省「令和6年度両立支援等助成金リーフレット」介護離職防止支援コースより筆者作成
 
1年度あたり支給対象となるのは5名までです。介護休業中に代替要員を雇用した場合には20万円、または周囲の従業員が業務をカバーし手当を支給した場合には5万円の加算があります。
 

両立支援等助成金を活用する企業側のメリット