インフルエンザに感染し、3日ほど寝込んでいました。

喘息持ちだった子どもの頃、何日も寝込んでいたことを思い出します。

居間のテレビの前で寝ることもありましたが、動く画面を観ると疲れてしまい、

結局、寝室に戻り、窓に映る雲を眺めていました。

雲が動くスピードが体調に合っていたのでしょう。

「あの雲はゴリラに似ているなぁ」

などと雲の形から様々な絵を想像していました。

時折、あの雲に乗ったらどこまで行けるんだろうと空想旅をしていたこともあります。

今回、病床で使用していた寝室は窓がありません。

そのかわり天井近くにかけられた1枚の絵に目が留まりました。

誰が描いた作品かもわかりません。

布団の中から、じっくり眺めていました。

私の場合、体調が悪い時は動かない絵がちょうどいいようです。

枯草に覆われた平原で、ところどころに枯れ木が立ち、物寂しい風景画。

遠くには湖が描かれ、空には雲が浮かび、

風や匂いも想像でき、

この地に向かうまでの空想旅が始まり、そのうち、うとうとします。

今回の病床中、何度も繰り返しました。

なんとも心地いい時間だったのです。<text:イシコ>

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