「秋葉原駅」での用事が急きょキャンセル! 駅員さんに「田端駅→南浦和駅」まで引き返したと言ったら往復分の運賃がかかったけど、改札を出てないなら「入場料」だけ払えばいいのでは? 往復運賃が必要な理由を解説
電車の運賃は改札を通った2つの駅の距離で決まると思っている人は多いでしょう。電車移動中に予定が急に変更となり、自宅の最寄り駅に引き返した場合、「入った改札と出た改札が同じだから入場券と同じ料金でいいのでは?」と思う人もいるかもしれません。   実際には改札を出ていなくても、引き返した駅までの往復の運賃が必要ですが、これは鉄道会社の規則に基づくものです。これを知らないと、意図せず「不正乗車」をすることになってしまいます。   トラブルを防ぐためにも、こうした鉄道運賃のルールや注意点を見ていきましょう。

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改札を出なくても往復分の運賃が必要な理由

原則鉄道の運賃は「実際に乗車した距離」に基づいて計算されています(「大都市近郊区間内のみをご利用になる場合の特例」など例外あり)。改札口を通って入った駅と出た駅の距離で運賃が決まるわけではないのです。
 
例えばJR東日本は、「旅客連絡運輸規則」第42条に「旅客運賃・料金は、旅客の実際乗車船する経路および発着の順序によって計算する」と明記しています。
 
秋葉原駅までの待ち合わせのために、南浦和駅から電車に乗って田端駅にいた時点で約束がキャンセルになり、南浦和駅に戻ってきた場合は、南浦和駅と田端駅の往復の運賃が必要というわけです。
 
なお、ICカードを使って入場し、2時間以内に同じ駅で出場しようとした場合は入場券分の料金だけ引かれて改札を通れてしまいますが、これは不正乗車となってしまいます。
 
JR東日本が「列車に乗車し、出場せずに入場駅にお戻りになった場合は、実際にご乗車になった区間について所定の運賃を頂戴しますので、係員のいる改札窓口にお申し出ください」としている通り、正しい料金を支払う必要があるのです。
 

知っておきたい鉄道運賃のルール