ヒラメとカレイの違いと定義
ヒラメとカレイの定義にある違い
ヒラメの定義は「カレイ目カレイ亜目ヒラメ科ヒラメ属に分類される魚類であること」です。一方のカレイの定義は「カレイ目カレイ亜目カレイ科に分類される魚類であること」であり、どちらも元を辿ればカレイの類となります。唯一の違いは科目、ヒラメはヒラメ科・カレイはカレイ科という点です。
カレイという類の中でヒラメとカレイに分かれている、という少々ややこしい分類定義となっています。生物としての成り立ちは同じだが、そこから遂げた進化による特徴や生態に違いがあるということです。見た目には分かりにくい部分もありますが、生物的には似ても確かな違いがあると定義されています。
元々は全国的に区別していなかった
どちらもカレイ目カレイ亜目であるように、元々日本のほとんどでは「カレイ」の名しかなく、「ヒラメ」の呼び名があったのは東京近郊だけでした。つまり、カレイは東京近郊のみで使われる方言だったのです。全国的には、カレイを今で言うカレイと呼ばず、別の名前で呼んでいたということです。
古くはヒラメをカレイの大型魚だと考えていたため、全国的にはヒラメのことを「オオガレイ」などの名で呼んでいました。いつしか全国的にヒラメ・カレイといった言い分けが広まり、現代では普通に言い分けられています。しかし今でも、オオガレイなどと呼ぶ地域も存在します。その場合は、ヒラメのことだと認識しましょう。
ヒラメとカレイの見分け方
ヒラメとカレイの見分け方①目の位置の違いで区別する見分け方
見分け方1つ目は「目の位置の違いで区別する方法」で、表面から見て左側に目がくるのをヒラメ、右側に目がくるのをカレイとします。しかし日本で流通する種類は突然変異などが起きることがあり、ヒラメでも右側に目、カレイでも左側に目がくることもあります。よって、この見分け方では区別できない場合があるのです。
また、種類の違いでもこの見分け方が当てはまらないことがあります。たとえばヌマガレイは左目であり、ボウズガレイは同率で左寄り・右寄りが出ます。地域によって右寄り・左寄りの率が異なることもあるようです(日本は左をヒラメ・右をカレイとするがアラスカやアメリカでは半数以上のカレイが左寄り)。
目の寄り方向は、遺伝子レベルで決まるとの説です。明確には解明はされていないため見分け方としては不確かな部分もありますが、日本では目の位置での見分け方が一般的によく知られていると言えます。この見分け方は、大きさなどの身体的な特徴の他に地域や種類も考慮して使った方が良さそうです。
ヒラメとカレイの見分け方②口と歯の形の違いで区別する見分け方
見分け方2つ目は「口と歯の形の違いで区別する方法」で、ヒラメとカレイはどちらも肉食ながらエサに違いがあるため、食事に使う口や歯の形にも違いが見られます。ヒラメは裂けたように大きな口と大きく牙のように鋭い歯を持ちますが、カレイは対照的におちょぼ口のような口と小ぶりでノコギリのような歯を持っています。
ヒラメは成魚になる前まで小魚・甲殻類・貝類を食べますが、成魚になると主食は小魚になります。積極的に狩りを行うため、獰猛に映ります。カレイは甲殻類やヒトデといった海底で暮らす無脊椎動物と砂中に潜む小さな虫を主食にするため、口は小さく歯はすり潰し型です。狩りの動きは少なく、一見おとなしめに見えます。
ヒラメとカレイを見分ける時は、目の位置を見る見分け方よりも「口と歯の形を見る見分け方」の方がより正確です。なぜなら、目の位置による見分け方は種類・地域・遺伝子変異により当てはまらないケースがあるためです。一方で口や歯の形状は整体に基づく身体特徴であるため、種類や地域などの影響を受けにくいのです。
ヒラメとカレイの大きさの違い
ヒラメとカレイの大きさの差は歴然
種類によって大きさは異なりますが、一般的にヒラメの成魚サイズは体長80cm前後・カレイの成魚サイズは40cm前後です。ヒラメはカレイよりも半分くらい大きいとされます。ただし成魚の場合なので、成長途中の段階にあるヒラメは一見カレイに間違われることもあります。
大きさのサイズは歴然でありますが、それがヒラメの成魚なのか?カレイの子供なのかはよく見定める必要があるでしょう。大きさだけで判断せず、目の位置や口と歯の形なども含めて考えてみる必要がありそうです。そのため、大きさは見比べるにあたる1つの要素くらいで捉えておいた方が無難と言えます。
種類で大きさの差に違いがあるため時に区別は難しい
成長途中で見間違えるということもありますが、種類によってはヒラメよりカレイが大きいこともあるようです。ヒラメの大きさを超えるカレイの類はいくつか存在しますが、たとえば「オヒョウ」と呼ばれるカレイの仲間は、体長2m以上・体重200kg以上になるのが標準です。
逆に、カレイよりも小さいヒラメの仲間も存在します。それは「カンゾウヒラメ」と呼ばれるヒラメで、体長はカレイの標準より小さい25cm前後とされます。目の位置による見分け方も地域など様々の方面での考慮が必要ですが、大きさでの見分け方でも同じような考慮を要すると言えます。