先日、親が亡くなり口座が「凍結」されてしまいました。葬式代の支払いに困っているのですが、どのように対応すればよいのでしょうか?
亡くなった親の銀行口座が凍結してしまい、お金をおろせなくて困っている人もいるでしょう。お金がおろせないと葬式代の支払いができない場合は、相続預金の払戻制度を利用してください。   本記事では、相続預金の払戻制度の内容や、申請方法について解説します。親の葬式代が足りない場合に利用できる制度も紹介しているため、参考にしてください。

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銀行口座の凍結とは

口座の凍結とは、ある条件下の元でお金の引き出しなどの取引ができなくなる状態です。口座が凍結する条件には以下のものがあります。
 

・名義人が死亡または認知症であると認められた
・債務整理の対象となった
・不正取引に利用された

 
親が亡くなって凍結された場合は、手続きをして取引ができるようにしなくてはなりません。

 

相続預金の払戻制度を利用できる

亡くなった親の銀行口座が凍結してしまった場合は、相続預金の払戻制度を利用することでお金を引き出せるようになります。相続預金の払戻制度を利用すれば、遺産分割の前であっても、葬儀代や生活費といったお金の払い戻しを受けられます。
 
本項では、相続預金の払戻制度の内容や必要書類、そして注意事項について解説します。亡くなった親の口座からお金を使いたい人は参考にしてください。

 

制度内容

相続預金の払戻制度には、2つのケースがあります。家庭裁判所の判断を経るかどうかによって違うため、それぞれのケースのやり方を見ていきましょう。
 

【家庭裁判所の判断を経ずに払い戻しができるケース】

払い戻しが受けられる額は、以下の計算式で求められます。
 
相続開始時の預金額×1/3×払い戻す相続人の法定相続分
 
たとえば、亡くなった親の預金額が600万円、法定相続人が息子2人、単独で払い戻しを受ける場合は以下の計算となります。
 
600万円×1/3×1/2=100万円
 
このケースの場合、100万円までお金の払い戻しを受けられます。なお、同一の金融機関で払い戻す場合、150万円が上限です。