今の給与水準は「30年前」とほぼ変わらないと言われていますが、当時は物価が今よりも安かったのですよね。実際、30年前のほうが今より暮らしやすかったのでしょうか?
近年、食料品や日用品などさまざまな商品の価格が上昇し、家計の負担が増しています。そのため、多くの家庭がこれまで以上に節約を強いられているのが現状です。「30年前と給与水準はほとんど変わらないのに、物価は大きく上がっている」とよく耳にしますが、果たしてそのとおりなのでしょうか。   本記事では、消費者物価指数や実際の価格をもとに、現在と30年前の物価について比較しています。30年前と現在の物価の違いについて、詳しく見ていきましょう。

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現在と30年前の物価の違いはどれくらい?

総務省統計局の「2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)11月分」によると、総合指数は110.0でした。一方、30年前の1995年11月の総合指数は95.7であり、当時から1割以上も上昇していることが分かります。
 
また、図表1は主な品目別の価格指数です。
 
【図表1】

品目 1995年11月 2024年11月
穀類 100.9 132.7
米類 117.3 162.9
食パン 87.7 121.5
麺類 89.5 121.8
カップ麺 85.0 122.0
小麦粉 74.9 132.9
魚介類 75.3 126.3
魚肉練製品 89.5 124.8
肉類 74.3 118.0
ソーセージ 94.8 109.9
牛乳 89.1 119.5
79.1 127.2
ポテトチップス 83.8 128.1
アイスクリーム 85.8 111.0

※総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)11月分」をもとに筆者作成
 
どの品目も30年前と比べて指数が大幅に上昇していますが、特に食パンは2割近くも上昇しています。