先月、定年退職しました。退職金「2000万円」を受け取ったのですが、来年、どのくらいの金額を納税することになるのでしょうか?
最近では、ひとつの会社に定年まで勤め上げる人も少なくなっているのかもしれません。   その一方で、定年を迎える人のなかには、「大学卒業後38年間、幾多の紆余曲折を経ながらなんとか定年を迎え、老後資金の当てにしていた退職金をめでたく2000万円受け取ることができた」という人もいらっしゃることでしょう。そのようなとき、「果たして、このうちいくら税金で持っていかれるのか?」と心配になることもあるかもしれません。   本記事では、この「勤続年数38年で退職金2000万円」のケースを一例として、退職金を受け取った翌年の税金について解説していきます。

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「退職所得の受給に関する申告書」を提出している人

最初に、退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合を見ていきましょう。
 
この場合、支払者(会社)が所得税額および復興特別所得税額(以下、所得税等という)を計算し、その退職手当等の支払いの際、所得税等が源泉徴収されるため、原則確定申告は必要ありません。つまり、退職金に関する所得税等については、既に退職金の受取時に完結しているため、翌年に所得税等を納税(確定申告)する必要はないということになります。
 
なお、別途、医療費控除や寄附金控除などを受ける目的で確定申告することで、税金が還付される場合もあります。
 
逆に、「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない場合には、退職金の20.42%の所得税等が概算で源泉徴収されるため、受給者本人が確定申告を行うことで正式な所得税等の精算をします。つまり、こちらの場合、状況によっては税金を払い過ぎているケースもあるということです。
 
まずは、あなたがいずれの状況にあるのかを確認してみましょう。
 

退職所得の計算方法