先月、70歳の父が亡くなりました。「専業主婦」として70歳まで過ごしてきた母が受け取る年金額は、現在の半分程度に減ってしまうのでしょうか?
年金生活をしていた夫婦の一方が亡くなった場合、その後の家計の面について、心配になる方もいるでしょう。本記事では、残された配偶者の年金がどうなるのかを解説します。

▼年金「月15万円」を受け取っていた夫が死亡。妻は「遺族年金」をいくら受け取れる?

要件を満たせばもらえる遺族年金

配偶者が亡くなった場合、これまで夫婦で年金を受給されていた場合には、配偶者が受け取っていた年金は受給できなくなります。そのため、「世帯としての年金受給額はかなり減るのでは」と心配になってしまう方もいるかもしれません。
 
しかし、日本の年金制度には遺族が受給できる「遺族年金」があります。遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2つがあり、一定の要件を満たせば受給することができます。受給要件は遺族基礎年金と遺族厚生年金で異なりますが、それぞれの要件を満たせば、両方を受給することもできます。
 

遺族基礎年金を受給するための要件とは?

遺族と亡くなった人が以下の要件を満たしていれば、遺族は遺族基礎年金を受給することができます。
 
■遺族についての要件(受給対象者)

●原則として、亡くなった人に生計を維持されていた「子どものいる配偶者」または「子ども※」

※子どもとは、18歳到達年度の3月31日までの子ども(障害年金1級・2級を受給している場合は20歳未満の子ども)
 
ただし、子どものいる配偶者が遺族基礎年金を受け取っている間や、子どもと生計を同じくする父または母がいる間は、子どもには遺族基礎年金は支給されません。
 
■亡くなった人についての要件
亡くなった人が、図表1のいずれかの要件に該当していること。
 
【図表1】

要件 補足
・国民年金の被保険者である間に死亡した ・死亡日の前日において、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上あること。
ただし、死亡日が2026年3月末日までのときは、亡くなった人が65歳未満であれば、死亡日の前日において、死亡日が含まれる月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がないこと
・国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の人で、
日本国内に住所を有していた
・老齢基礎年金の受給権者であった 保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間を合算した期間が25年以上あること
・老齢基礎年金の受給資格を満たした人