親から「公務員は退職金が高いからおすすめ」と言われました。本当に公務員の退職金は民間より多いのでしょうか?
就職先を決めるときは、大きく分けて民間企業の会社員と公務員という選択肢があります。公務員は安定していて給与はそれほど高くないものの、退職金は高いというイメージを持つ人も多いでしょう。実際に民間企業の会社員と公務員では、退職金にどれくらいの差があるのでしょうか。本記事では、会社員と公務員の退職金について解説します。

▼「公務員は安定している」って本当? 定年退職の割合や退職金の平均額を教えて!

公務員と民間の退職金を比較

公務員には国家公務員と地方公務員の2種類があり、民間企業も規模によって大企業や中小企業があります。本記事では、種類別に平均の退職金を紹介します。
 
なお、本記事では定年退職金を前提としていますが、退職金の定義についても明確にしていますので併せてご確認ください。

 

退職金とは

退職金とは、一定年数以上勤務した社員が退職する場合に支払われる一時金のことです。退職金制度について法的な規制はなく、各企業に委ねられており、退職金制度がない企業も存在します。
 
しかし、公務員の場合は「国家公務員退職手当法」や「地方自治法」によって定められているので法的な根拠があります。本記事では退職金を比較するうえで公平になるよう、定年退職による退職金を対象としています。

 

公務員の平均退職手当額

国家公務員と地方公務員で、令和4年度中に退職した人が受給した退職手当の平均額は、以下のとおりです。
 

◆国家公務員(※1)……常勤職員: 2175万円
◆地方公務員(※2)……全地方公共団体:2117万1000円

 
国家公務員と地方公務員を比較すると、国家公務員のほうが退職手当額はやや高いことが分かります。ただし、退職手当は職務や職種、地域、勤続年数等によって異なるため、状況によっては地方公務員のほうが高いケースもあります。