貯金は子どもたちの進学費で消えてしまいました。老後資金を「2000万円」貯めている人はどれくらいいるのでしょうか?
金融庁の金融審議会の報告書で話題になった「老後2000万円問題」から、老後資金の目安の1つになっている2000万円ですが、実際に貯められるのか不安に思う方は多いでしょう。年金をもらい始めるまでに2000万円を貯めるには、一体どうしたらよいのでしょうか。   本記事では、家計調査をもとに60代の貯蓄事情について解説します。40代や50代から老後資金を貯める方法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?

老後資金はいくらくらい貯めている?

金融広報中央委員会 知るぽるとの「家計の金融行動に関する世論調査」によると、60代の金融資産保有額の平均は2026万円、中央値は700万円であることがわかりました。
 
2000~3000万円未満の金融資産を保有しているのは全体の9.5%であり、3000万円以上ある家庭は20.5%以上です。60代だけで見ると、全体の30%は2000万円以上の金融資産を保有しています。
 
一方で、60代で金融資産保有額が100万円以下の世帯も5.9%あり、全体の約6%がまったく貯蓄できていないこともわかりました。
 

いまの若い世代はどれくらいの貯蓄をしているのか

では、いまの若い世代はどれくらいの貯蓄をしているのでしょうか。図表1を見ていきましょう。
 
【図表1】

100万円未満 2000万円以上
20代 21.6% 2.9%
30代 12.3% 6.6%
40代 9.6% 11.8%
50代 9.1% 16.6%
60代 5.9% 30.0%

※金融広報中央委員会 知るぽると「家計の金融行動に関する世論調査」をもとに筆者作成
 
20代で金融資産保有額が100万円未満の世帯は21.6%、2000万円以上の世帯は2.9%と5%にも満たないことがわかりました。30代になると100万円未満は12.3%と下がり、2000万円以上の世帯も6.6%と上がります。
 
年代が上がるごとに100万円未満の世帯は少なくなり、2000万円以上の世帯が増えることからも、若いうちから老後資金を貯めようとしている世帯が多いことがわかります。
 

40代から老後資金を貯めるには?