定年退職金が出たらローンを全額返済してラクになりたいです。退職金は2000万円程度の予定ですが、具体的な「手取り額」はどのくらいになるのでしょうか?
「定年退職金が出たらローンを全額返済してラクになりたい」という方も多いのではないでしょうか。年金で生活しながらローンを返済していくのは大変なことだと思われます。   ところで、退職金の手取り額がいくらになるのか、想像は付くでしょうか。「税金でそれなりに持っていかれるのでは?」と思われる方もいらっしゃることでしょう。   そこで本記事では、「退職金の手取り額はどのように計算するのか?」「退職金2000万円・勤続年数36年のときの手取り額はどのくらいか?」について解説します。ローンの返済だけでなく老後の生活資金として退職金を当てにしている方も、ぜひ最後までお読みください。

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退職金の手取り額はどのように計算するのか?

給与・賞与の手取り額は、以下のように計算します。
 
・給与・賞与の手取り収入 = 給与・賞与などの収入金額-(社会保険料 + 所得税額 + 復興特別所得税額 + 住民税額)
 
しかし、退職金の手取り額の計算は給与・賞与とは異なり、社会保険料を差し引かずに計算します。つまり、退職金の手取り額は、以下のように計算しすることになります。
 
・退職金の手取り額 = 退職手当などの収入金額 -(所得税額 + 復興特別所得税額 + 住民税額)
 
退職金(退職所得)は分離課税ですので、他の所得と合算せず、単独で税金を計算します。所得税額・復興特別所得税額・住民税額は、それぞれ以下の計算式により算出します。

●所得税額 = 退職所得の金額 × 所得税の税率
●復興特別所得税額 = 所得税額 × 2.1%
●住民税額 = 退職所得の金額 × 10%

所得税額・住民税額の計算の基礎となる「退職所得の金額」は、原則として以下のように計算します。
 
・退職所得の金額 =(退職手当などの収入金額 - 退職所得控除額)× 1/2
 
「退職所得控除額」は、以下のように計算します。