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小学校から大学まで私立に通うには平均約1700万円の学費が必要
私立学校に進学すると、公立学校に通う場合と比べて多くの学費を要するのが一般的です。
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」では、私立学校に通う場合にかかる子ども1人当たりの学校教育費について、図表1のような結果が出ています。
※文部科学省「令和5年度子供の学習費調査 結果の概要」より筆者作成
小学校から私立に通うと、高校卒業までの12年間で平均1200万円以上の学費がかかる計算です。
同調査によると、小学校から高校まで公立に通う場合の学費は平均約200万円なので、約6倍もの費用がかかることになります。私立学校は学校ごとに授業料などの金額が異なるため、実際にはもっと高額な費用がかかるケースもあるでしょう。
また、文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査」によると、私立大学の学生納付金の平均額は4年間で約470万円です。小学校からの合計額は1700万円前後にもなります。授業料や実験実習費などが高額な傾向がある理工系や医歯系の学部に進めば、さらに高額な負担を覚悟する必要があるでしょう。
私立に進学するための学習塾費用も高額になりやすい
私立学校に進学すると、学習塾費など、補助学習にかかる費用が高額になりやすい点にも注意が必要です。「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査」によると、小学校から高校までにかかる補助学習費用の年間平均額は、図表2のようになっています。
※文部科学省「令和5年度子供の学習費調査 結果の概要」より筆者作成
中学校、高校の学習塾費を除き、ほとんどの項目で私立のほうが平均額が高い結果です。また、小学校では、学習塾費が公立の5倍にも上っていることも特徴的です。必要な教育費を見積もる場合には、補助学習費も意識して余裕を持った試算をする必要があるでしょう。