「事実婚」でも扶養に入れるって本当? そもそも事実婚ってどのような制度なのでしょうか?
「法律婚」と「事実婚」の違いは、端的に言えば婚姻届を市区町村の役場に提出しているか否かの違いによります。よく「紙切れ1枚の違い」などと例えられるのはこのためです。当人同士が愛し合っていればそれでよしという結論であれば、他人がとやかく言うことでもないのかもしれませんが、両者には得られる権利などに違いがあるのが現状です。   そこで本記事では、あらためて事実婚の定義やメリット、デメリットなどについて確認していきます。

事実婚と認められる要件

事実婚とは、婚姻届を提出していない状態で夫婦と同様の関係を有し、共同成果を送る者、つまり「内縁関係」の状態を指します。ただし、事実婚と認められることで後述するさまざまな権利を得ることもできます。この点が、単なる「同棲」との違いです。一般的に事実婚の状態と認められるための主な要件には、以下のようなものがあります。
 

(1)住民票の続柄に「妻(未届)」「夫(未届)」と記載されている

婚姻の意思はあるが手続きされていない状態で、このように住民票に記載することで婚姻意思を示す有力な公的資料となり得ます。ほとんどの市区町村では役場で事実婚の意思を伝えれば、住民票への記載が可能です。ほかにも公的な手続きで婚姻意思を示す資料としては、「社会保険の第3号被保険者として登録する」「事実婚契約書を作成する」などが挙げられます。
 
事実婚契約書とは私的な契約書ですが、事実婚を始めるときに当事者間で取り決めなどをあらかじめ契約しておくもので、公正証書で作成する場合もあります。
 

(2)子どもを認知している

連れ子であっても、両者の間の子であっても、子どもを認知している場合や養子縁組していて自分の子どもとして養育している実績があれば、有力な要素となります。なお、事実婚の場合、子どもの親権は母親にあり、父親が親権を取得するためには認知の手続きが必要となります。
 

(3)共同生活をしている