「貯金がない」という割にNISAに「月5万円」積み立てる兄。正直、投資より貯金を優先すべきではないの? 注意点を解説
「貯金が全然ない」と言いながらも、NISAで毎月5万円を積み立てている家族や知人の話を聞いたとき、「投資をするのもいいけれど、貯金を優先すべきでは?」と疑問に思う人もいるのではないでしょうか。   NISAの積立自体には多くのメリットがあるとは聞くものの、果たして貯金なしで投資を始めるのは適切なのか気になるところです。本記事では、NISAのメリットや貯金との優先順位、投資を行う際の注意点を解説します。

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NISAのメリット

NISA(少額投資非課税制度)は、個人が少額から投資を始められる制度で、税金面での優遇がある点が特徴です。つみたて投資枠として年間120万円、成長投資枠として年間240万円の非課税枠が用意されています。生涯の非課税保有限度額は1800万円(うち成長投資枠は最大1200万円)です。
 
NISAを使った長期積立投資には多くのメリットがあります。特に、長期投資による複利効果が期待できるのが大きな魅力です。例えば、毎月5万円を30歳から60歳まで年利3%で運用した場合、元本1800万円が2914万円まで増加します。このうち収益1114万円にかかる約223万円(利益の20%)の税金が非課税になるのは、NISAならではのメリットです。
 
また、投資期間が長いほどリスクが分散され、収益が安定する傾向にあります。金融庁のデータでは、1989年以降に毎月一定額を国内外の株式と債券に積み立てた場合、5年後の利益率はマイナス8%からプラス14%とばらつきがある一方、20年後にはプラス2%からプラス8%に収まり、うち7割は4%を超えると示されています。
 
NISAで積立長期投資を行うことで、老後に向けた安定的な資産形成を期待できます。
 

NISAのデメリットと注意点