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103万円の壁は所得税と扶養控除に関する2つの意味がある
103万円の壁には、所得税に関するものと、扶養控除に関するものの2つの意味があります。それぞれの内容は次の通りです。
所得税に関する103万円の壁
103万円の壁の1つ目の意味は、所得税の支払いが発生し始める年収額であるという点です。103万円から所得税の支払いが発生する理由は、所得を算出するときに給与から差し引く控除が関係しています。給与所得者には次の2つの控除が認められています。
●基礎控除:48万円
●給与所得控除:55万円
この所得税に関する103万円の壁は、次のように改定が検討されており、改定後の金額は「123万円の壁」と呼ばれています。
●基礎控除:48万円を58万円に引き上げ
●給与所得控除:55万円を65万円に引き上げ
扶養控除に関する103万円の壁
103万円の壁のもう1つの意味は、扶養親族から外れる年収額であるという点です。扶養親族の判定要件の1つに、年間の合計所得金額が48万円以下(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)があります。
扶養する給与所得者は、国内に住む扶養親族が16歳以上であれば、扶養親族の区分に応じて38万円~63万円の扶養控除が認められ、所得税の節税効果があります。
特に19歳から22歳までの扶養親族は「特定扶養親族」と呼ばれ、63万円の控除が認められます。例えば、アルバイトをしている子どもの年収が103万円を超えて扶養親族から外れると、子どもの年収は増えますが、結果的に親の納めるべき税金が増えるため、年収の壁として意識されています。