進学で上京した娘の時給が「1200円」と聞きびっくり! こちらは大人でも「1000円未満」が普通ですが、それだけ物価に差があるのでしょうか?
アルバイトをする学生が時給1200円で働いていると聞くと、「地方ではそんな高時給は聞いたことがない」と驚く人も多いかもしれません。   地方では時給1000円未満の求人もあります。地域ごとの賃金の差は、物価や生活費とどのように関係しているのでしょうか?最低賃金や生活費、特に家賃の地域差が、時給の差にどのように影響しているのかを見ていきましょう。

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地域別最低賃金の比較

地域ごとの賃金の差を理解するためには、まず最低賃金を確認することが重要です。日本の最低賃金は地域によって大きな差があり、これは賃金全体の基準となる指標でもあります。
 
2024年度の最低賃金を見ると、東京都が全国で最も高く、時給1163円です。一方、時給1000円を下回る地域も多く、最も低い秋田県は951円、次いで沖縄県や岩手県、熊本県などの952円です。東京都と秋田県の差は212円にも及び、フルタイムで160時間働いた場合、月収に換算すると3万3000円以上の差が生じます。
 
また、大都市圏である神奈川県の最低賃金は1162円、大阪府が1114円で、東京都に次いで1100円台です。一方、東北地方や九州地方の多くの県では900円台が標準となっています。
 
最低賃金の設定には地域の物価や生活費、経済規模が影響しており、都市部と地方では労働環境の差が影響しているようです。
 

家賃の地域差が生活費に与える影響

地域ごとに最低賃金が異なる背景には、家賃の違いが大きく影響しています。家賃は生活費の中でも大きな割合を占めるため、地域ごとの実際の生活環境が見えてきます。
 
東京都、大阪府、宮城県、沖縄県の1部屋と3部屋の平均家賃を見てみましょう。
 
図表1

地域 1部屋平均家賃 3部屋平均家賃
東京都 7万5216円 10万1414円
大阪府 5万8361円 7万2811円
宮城県 4万9286円 6万8365円
沖縄県 4万6061円 6万5883円