高額療養費制度の「自己負担限度額」が引き上げに!?「年収1000万円」以上だと月いくらになる? 上限額をシミュレーション
2025年8月から高額療養費制度の「自己負担限度額」が段階的に引き上げられることをご存じでしょうか。   同制度は高額な医療費がかかった際に自己負担額を一定額に抑えてくれる心強いものですが、上限額が引き上げられると自己負担額がいくらになってしまうのか、不安に思うかもしれません。   本記事では、段階的な制度変更が予定されている高額療養費制度について解説します。

▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?

高額療養費制度とは

高額療養費制度とは、医療費の自己負担額が高額になった場合に、患者の経済的負担を軽減してくれる制度です。1ヵ月の間に医療機関や薬局の窓口で支払った医療費が一定の上限額(自己負担限度額)を超えた場合に適用されます。
 
自己負担限度額は所得区分によって異なりますが、現行制度では「70歳未満」の患者の場合は次のように計算されます。なお本記事での計算は、過去12ヶ月間に3回以上高額療養費の支給を受けた場合、4回目から自己負担限度額がさらに引き下がる「多数回該当」までは考慮していません。


年収約1160万円~:25万2600円+1%
年収約770万円~約1160万円:16万7400円+1%
年収約370万円~約770万円:8万0100円+1%
年収約370万円未満:5万7600円
住民税非課税:3万5400円

※「+1%」とは、定率窓口負担額を超える医療費に対して1%の自己負担を求めるものです。
 

予定されている段階的な制度変更内容

高額療養費制度は段階的な制度変更が予定されています。「70歳未満」患者がどのような扱いになるのかを次項以降にそれぞれ記載します。
 

2025年8月~2026年7月では「定率引上げ」予定

2025年8月~2026年7月は「定率引上げ」が実施される予定で、引き上げ後の具体的な計算は次の通りです。