息子は「国立大学」志望だけど、すべり止めに「私立」も受験。合格発表前に「入学金20万円」払うのが正直厳しいですが、一度払った入学金は戻ってこないのでしょうか…?
大学受験シーズンが本格化する中で、国立大学を第1志望にしている受験生とその家族にとって悩みの種となるのが、併願する大学の「入学金」ではないでしょうか。   万一に備えて私立大学を受けるのは安心材料になりますが、国立大学の合格発表前に20万円以上もの入学金を支払わなければならないケースがあり、決して小さな出費ではありません。   本記事では、私立大学の入学金のルールを見ながら、負担を減らす方法はないのか考えていきます。

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私立大学の入学金は返金されない

私立大学の場合、合格後の定められた期間までに、入学金もしくはそれ相当額の支払いをおこなった上で入学の仮手続きを行うのが一般的です。
 
例えば、早稲田大学の法学部は2月24日の合格発表後、3月4日までに第1次振込として登録料(入学金相当額)の振り込みを求めており、期限に間に合わない場合は入学できません。
 
横浜国立大学の合格発表は3月7日、東京大学は3月10日など、国立大学前期日程の合格発表の多くは3月6日以降です。つまり、国立大学の合格発表前に登録料を払わなければなりません。
 
また、早稲田大学の入学手続きの手引きには、「入学しない場合でも登録料の返還は行わない」と明記されています。したがって、仮に国立大学に合格し入学する場合でも、入学金相当額の支払いが必要なのです。
 
なお、2006年11月27日の最高裁判決によって、「入学金の納付は大学に入学できるという地位を取得するための対価として認められるため、入学辞退者に対して大学側は返金の義務を負わない」という見解が示されています。この仕組みは、法的にも正当性が認められているわけです。
 

授業料や施設設備費は原則返金される

ただし、文部科学省の指針では、「3月31日までに入学辞退の意思表示をおこなった人に対しては、授業料や施設設備費などの返還に応じること(ただし専願や推薦入試などの例外を除く)」を明確にするよう各大学に求めています。
 
前記した最高裁判決にて、「3月31日までに入学を辞退した場合には、大学は授業料や施設設備費などの返金義務を負う」と判断されたからです。
 
したがって、入学の権利を保持するために、入学金に加えてさらに多額の費用負担を求められることはありません。
 

私立大学の入学金を払わないためにできることはある?