35年に「厚生年金」の「企業規模要件」が撤廃!? パートで働く私にどんな影響があるの?
パートで働く方の中には、厚生年金の加入について迷っている方も多いのではないでしょうか。厚生年金に入ると将来の年金額が増える一方で、手取り収入が減るなどの影響もあります。本記事では、厚生年金に加入するメリット・デメリットに加え、今後の制度変更について詳しく解説します。

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厚生年金に加入できる条件とは?

まずは厚生年金の加入条件を確認していきましょう。パートで働く場合、以下の条件をすべて満たすと厚生年金に加入することができます。主な要件は以下のとおりです。

●週の所定労働時間が20時間以上
●月額賃金が8.8万円以上(年収約106万円以上)
●2ヶ月を超える雇用の見込みがある
●学生ではない(※休学中、定時制・通信制の学生は対象)
●勤務先の従業員数が51人以上

これらの条件をすべて満たす場合、厚生年金への加入が義務づけられます。
 

35年には厚生年金の企業規模要件がなくなる?

厚生労働省は、厚生年金の適用範囲を拡大する方針を発表しています。以下のように段階的に条件を拡大し、35年には完全に撤廃されます。

●2027年10月 → 従業員36人以上の企業も対象に
●2029年10月→21人以上の企業も対象に
●2032年10月→11人以上の企業も対象に
●2035年10月 → 企業規模の条件を完全撤廃

また、「月額賃金8.8万円以上」という条件も、将来的に撤廃される可能性があります。これにより、今後さらに多くのパート労働者が厚生年金に加入することになると予想されています。
 

厚生年金に加入するメリット

先ほど見たように今後、対象者は増えていきます。それではパートをしている人にとって、厚生年金に入ることにはどんなメリットがあるのでしょうか?
 

1. 将来の年金受給額が増える