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無断駐車の取り扱いは?
通常、公道で無断駐車すると、「道路交通法違反」となり、警察による取締りの対象になります。無断駐車の罰則は、悪質な場合は罰金や前科がつくこともあります。
一方、アパートや自宅のような私有地では、公道とは違い道路交通法が適用されません。刑事上ではなく民事上のトラブルとなるため、警察がすぐに動いてくれるとは限りません。
むしろ、警察は「民事不介入の原則」により、直接対応できないことが多いのです。不当に他人の駐車スペースを占拠しているため、「住居侵入罪」や「不退去罪」に該当するのでは、と考える人もいるかも知れませんが、駐車場自体が誰でも自由に出入りできる場所であれば、このような罪が認められることは少ないでしょう。
ただ、無断駐車は他人が「駐車するスペースに対する権利」を侵害しているといえるため、民法上の「不法行為」に該当し、相手に対して損害賠償を請求できる権利があります。
もっとも、無断駐車されたからといって、タイヤをロックしたり、車を勝手に撤去したりすると、自身が刑事罰に問われたり、損害賠償を求められたりしてしまう可能性があります。
無断駐車へ対処する6つのステップ
もし自分の駐車スペースに無断駐車された場合、次のステップで対処しましょう。
1.管理会社や大家さんへ連絡:まずはアパートの管理会社や大家さんに連絡し、状況を説明しましょう。ほかの入居者が駐車場所を間違えている可能性や、来客があり利用してしまっている可能性もあります。
2.証拠を残す:無断駐車している車の写真を撮っておきましょう。無断駐車が解決しない場合、これから説明する以下のステップで使う必要があるかも知れないからです。ナンバープレート、車種、駐車状況が分かるように、日付と時間も一緒に記録しておくのがおすすめです。
3.張り紙をする:車のフロント部分に警告文などの張り紙をして、「無断駐車であること」「速やかに移動すること」「連絡先」などを記載しましょう。ただし、張り紙を車体や窓ガラスに接着力の強いテープやのりで貼り付けるのはやめましょう。塗装が剥げるなどの損害を与えると、車の所有者とトラブルになる可能性があります。
4.警察に相談する:張り紙をしても無断駐車をやめない場合は、警察に相談しましょう。無断駐車している車のナンバーや車種などの特徴から、車の所有者を特定し、連絡してくれる可能性があります。ただし、私有地内の駐車違反は警察が直接対応できないケースも多いため、必ず解決できるとは限りません。
5.所有者に連絡する:ここまでの対処法を行っても無断駐車を続ける場合は、所有者を特定し、電話や手紙で速やかに車の移動を要請しましょう。
内容証明郵便で送ることで、無断駐車を続けている証拠を残せます。証拠を残すことで、無断駐車を止めるよう忠告していることを明確に示せるとともに、それでも止めない場合に被害届を出す際の証拠になります。
アパートの管理会社や大家さんに確認しても車の所有者が分からない場合は、地方運輸局に無断駐車をし続けている証拠を提出し、所有者情報の開示請求手続きを取れば分かります。
6.法的措置を検討する:ここまでのステップで解決しない場合は、最終手段として弁護士に相談し、損害賠償請求訴訟や裁判所を通じた強制執行手続きを検討することになります。ただし、時間と費用がかかるため、法的措置をとるかどうかは慎重な検討が必要です。