
▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
60代の貯蓄の実態
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」(2023年)の統計によると、60代の平均貯蓄額(金融資産を保有しない世帯を含む)は、2人以上の世帯で2026万円、単身世帯で1468万円となっています。
しかし、この数字だけでは実態を正確に把握することはできません。
それぞれの中央値(数値を大きい順に並べた際中心にくる値)を見てみると、2人以上の世帯では700万円、単身世帯では210万円で、平均値とは大きく懸け離れています。この差については、一部の高額資産保有者の存在が平均値を押し上げていると考えられます。
金融資産保有世帯に限定した場合も、平均値が2人以上の世帯で2588万円、単身世帯が2240万円であるのに対し、中央値は1200万円、1100万円と数値は上昇しますが、それでも中央値は平均値を大きく下回ります。
2000万円以上の貯蓄を持つ60代の割合は?
表1は、同データより60代の貯蓄額の分布をまとめたものです。
表1
2人以上の世帯(%) | 単身世帯(%) | |
---|---|---|
保有なし | 21.0 | 33.3 |
500万円未満 | 19.6 | 22.7 |
500~700万円未満 | 7.2 | 3.5 |
700~1000万円未満 | 6.7 | 2.8 |
1000~1500万円未満 | 6.8 | 6.6 |
1500~2000万円未満 | 5.4 | 4.5 |
2000万円以上 | 30.0 | 23.1 |