
▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
ねんきん定期便の記載内容が変わるのはなぜ?
毎年送付されるねんきん定期便の見込み額は、最近の加入状況や年金の給付水準などを基に算出されています。そのため、本人の状況によっては減少することもあり得るでしょう。
例えば、会社勤めで厚生年金に加入している方が、52歳のときにボーナスがもらえなかったり休んだりして給料が大幅に下がったとしましょう。この場合、52歳時点での年金額は、51歳のときのボーナスを含めた金額を基に算出されています。
一方、53歳時点でのねんきん定期便は、52歳で収入が大幅に下がったときの金額を基に算出されるため、減少するでしょう。もし53歳になってふたたび収入が戻ると、次に受け取るねんきん定期便は52歳時点でのねんきん定期便に近い金額となっている可能性があります。
なお、ねんきん定期便に記載されている内容が間違っていることが原因で金額が減少しているときは、できるだけ早く年金事務所へ申告しましょう。年金加入記録の漏れやミスは、年金加入記録回答票の必要事項を記入して提出すれば、対応してもらえます。
年金受給額の平均はいくらくらい?
厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」の資料によると、老齢基礎年金と老齢厚生年金をともに受け取る方の平均受給額は、月に14万7360円でした。もし月に13万円や10万円の場合は、平均額よりも少ないことになります。
年金額が少ない場合、ある程度貯金を多く貯めておけば問題はないでしょう。総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の高齢者かつ単身無職世帯の方は、平均で月に3万768円不足しています。もし65歳から90歳までの不足分を補おうと思うと、25年間で930万円ほどあれば足りる計算です。
しかし、人によっては年金額も貯金も心もとないと感じる方もいるでしょう。まだ定年前であれば年金を増やせないか確認してみましょう。