
▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?
「節税」にはいくつか方法がある
相続が発生した際、亡くなられた方(被相続人)の財産の額(相続税評価額)が基礎控除(3000万円+法定相続人の数×600万円)を越える場合、財産を受け取る人に相続税が課されます。相続税は、課税対象となる財産が増えるほど税率が上がる「累進税率」が適用されます。
このような仕組みであることから、支払う相続税を抑えるために、
(1) 相続財産を減らす
(2) 相続財産の相続税評価額を下げる
(3) 相続税が軽減される「特例」の活用を検討する
などの方法を考えます。
「生前贈与」によって被相続人の財産を減らす
相続財産を減らす方法として、「使ってしまう」というのもありますが、今回は、節税策の検討の前提として、「少しでも多くの資産を次世代に渡す」という目的と考えます。
「生前贈与」は文字どおり、存命のうちに資産をほかの人に渡す(あげる)ということです。贈与する人を「贈与者」、受け取る側の人を「受贈者」といいます。
受贈者は将来想定される「相続人」だけとは限りません。「相続人の妻(夫)」や「相続人の子(贈与者の孫)」のほか、「内縁の妻」や「贈与者の会社の従業員」なども対象です。
民法第549条で、「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」と規定されています。渡す側と受け取る側の双方が合意している必要があるのです。
例えば、孫などの名義の預金口座を贈与者が開設し、毎年110万円ずつその口座に資金を移す、ということをされている方がいらっしゃるかもしれません。しかし、この場合の預金口座の印鑑や通帳などを贈与者が管理している場合、この口座は贈与者側が管理している口座になります(「名義預金」といいます)。
相続が発生し、税務署の調査で名義預金の口座が見つかると、贈与とはみなされず、被相続人の財産として扱われ、申告していないと追徴課税や加算税の対象になるので注意が必要です。