実母と義母から息子が進学するときに「120万円」もらいました。別々で受け取ったら「贈与税」はかからないですか?
贈与税は個人から財産を受け取った場合に課される税金です。しかし、同じ人物のみから贈与されるとは限りません。もし同じ年に複数人から贈与されたときは、まとめて計算する必要があります。   場合によっては計算式が複雑になる可能性があるので、間違えないように確認することが大切です。今回は、複数人から贈与されたときの計算方法や税率などについてご紹介します。

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贈与税は1年間で受け取った財産の合計額を基に計算する

贈与税は、1年で受け取った金額が基礎控除である110万円を超えていると発生する税金です。1年で受け取った金額の計算時には、全ての贈与を合計します。そのため、1人から受け取った金額は非課税になる範囲内でも、合計額が超えていれば申請しなければなりません。
 
例えば、以下の条件で複数人から贈与を受け取ったときの税額を計算しましょう。
 

・実母から60万円、義母から60万円をもらった
・同じ年にほかの贈与はない

 
片方から60万円だけでは課税対象になりません。しかし、2人からもらったことで120万円になったため、贈与税の課税対象です。120万円から110万円を除いた10万円に対して課税されます。国税庁によると、税率は10%のため、支払う金額は1万円です。
 
なお、例に挙げた2人以外からも財産を受け取っていたときは、税額や税率が変動する可能性があります。
 

状況によっては同じ贈与額でも税額が変わるケースもある

贈与税は受け取った相手によって税率が変わるケースがあります。税金の計算をするときに使用する税率が、18歳以上の方へ直系尊属からの贈与に対する「特例税率」とそれ以外の場合の「一般税率」で分かれているためです。
 
複数人から贈与されていたときは、全体の金額に加え、それぞれの税率で計算した割合も算出する必要があります。国税庁によると、特例税率は表1、一般税率は表2の税率です。
 
表1

基礎控除後の課税金額 200万円以下 400万円以下 600万円以下 1000万円以下 1500万円以下 3000万円以下 4500万円以下 4500万円超
税率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 なし 10万円 30万円 90万円 190万円 265万円 415万円 640万円