不動産投資は「相続」に有利って本当? 現金で相続するよりもお得なの?
投資にはいくつかの種類がありますが、その中でも不動産投資は、それ以外の株式投資・債券投資・外貨投資などとはかなり内容が異なっています。後者が金銭の世界で完結するのに対し、不動産投資には、多くの場合「不動産」という現物資産が関与します。   不動産投資は「不動産価格の変動」というキャピタル・ゲイン&ロスと、「賃料」というインカム・ゲインの2つを考えてする必要があります。   そんな不動産投資のメリットの1つは、現金や株式などの金銭資産で相続した場合と比べ、相続税がかなり少なくなることです。そのため、不動産は相続税の節税の有効な手段として、特に富裕層の間で注目されてきました。   この記事では、不動産が相続においてどのくらい有利なのか、多くの方が気づきにくい点に着目して、具体的に解説したいと思います。

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不動産の相続税評価額は、どのように決まるか?

相続は誰しも避けて通ることができない問題です。どのような形で財産を残すか、節税をできるだけ有利に行うにはどうしたらよいかは、人生の最後における重要な課題ということができます。
 
それでは相続を行う際、現金・通常の土地付き建物・賃貸中の不動産で、それぞれの相続税の評価額はどう違ってくるのか、考えてみましょう。
 
表1は東京都内の中古ワンルーム・マンションを想定して、①その時価(実勢価格)、②自分で居住している場合(「自用」といいます)、③賃貸している場合について、①~③それぞれの相続税評価額の目安を比較したものです。
 
表1

1 不動産の時価
(=実勢価格)
2 自用の場合の
相続税評価額
3 賃貸中の場合の
相続税評価額
建物 2000万円 1200万円 840万円
土地(敷地権割合) 800万円 560万円 442万円
合計 2800万円 1760万円 1282万円
時価の合計額に占める比率(四捨五入) 100 63 46