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歯科医院の倒産・廃業の現状
株式会社帝国データバンクによると、2024年10月末までの集計で、歯科医院の倒産は25件、廃業は101件となり、合計126件が市場から退出したとのことです。2023年度通年の104件をすでに上回って年間最多記録を更新しており、前年比では1.8倍の記録的なハイペースで推移していることが分かります。
過去10年間の歯科医院の倒産・休廃業解散件数(通年/1~10月)をまとめると以下の通りです。
・2015年:55件/48件
・2016年:88件/72件
・2017年:77件/65件
・2018年:98件/82件
・2019年:91件/75件
・2020年:94件/74件
・2021年:95件/71件
・2022年:92件/70件
・2023年:104件/70件
・2024年:-/126件
歯科医院の廃業が止まらない理由とは?
同調査によると、歯科医院の廃業が止まらない理由として以下の点が考えられます。
・歯科医の高齢化
・物価高騰
・患者ニーズの多様化
2024年に休廃業・解散となった歯科医院の代表者年齢は69.3歳で、最高齢は90歳超でした。歯科業界は高齢化が進んでいて、経営者の平均年齢は60歳を超え、歯科衛生士などの人手不足や後継者難が問題になっています。
虫歯治療で使用する銀などの合金を始めとして、材料費などの値上げが歯科医院の経営に大きなダメージを与えているようです。マイナ保険証の導入で電子化が求められるなど、新たな設備投資が必要になっていることも運営を難しくしている要因とみられます。
虫歯治療だけでなく、ホワイトニングなど審美目的の受診を求める患者も増えているといいます。高付加価値の治療や新たな設備投資に積極的な若手と、高齢により廃業を選択する歯科医の二極化が加速している傾向にあるようです。