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高齢者の転倒事故の多くは、住み慣れた自宅で発生しています
厚生労働省「令和4年国民生活基礎調査」によると、高齢者の介護が必要となった主な原因は、認知症(16.6%)、脳血管疾患(脳卒中)(16.1%)に続き、「骨折・転倒」が13.9%を占め、高齢による衰弱が多くなっています。
高齢者の転倒事故の多くは、住み慣れた自宅で発生しています。具体的には居間・寝室、玄関、階段・廊下、浴室などです。
東京消防庁の「救急搬送データからみる日常生活の事故(令和4年)」によれば、種別ごとの事故で「ころぶ」は72.3%と、全年代で最も多くの割合を占めています。加齢に伴い事故割合は増え、50代から全体の6割以上を占め、70代からは8割を超えます。
自宅内では整理整頓を心掛け、手すりの取り付けや段差を解消するなど転倒を予防しましょう。
住宅改修予防給付
ある自治体では、65歳以上で、日常生活の動作に困難がある高齢者(介護認定不要)が、転倒予防、介護の軽減のため床の段差解消等の住宅改修をするときに、その費用の一部(限度額20万円)を助成しています。対象工事は、手すりの取り付け、段差解消、床材変更、扉の改修、トイレ洋式化等です。
工事後に申請しても助成できませんので、必ず事前にお住まいの市区町村の高齢福祉課担当に相談してください。
介護保険の住宅改修費支給
要介護・要支援の認定を受けている方は、介護保険から住宅改修費の支給を受けることができます。
対象工事は、手すりの取り付け、床段差の解消、滑り防止および移動の円滑化等のための床材変更、引き戸等への扉の取り換え、洋式便器等への便器の取り換え、これらの工事に付帯として必要と認められる工事です(限定列挙)。
支給対象となる工事費の上限額は20万円で、介護保険より所得に応じて14~18万円が支給されます。工事費が上限額を超えてしまう場合は、超えた分の全額が自己負担となります。
なお、要介護度が3段階以上重度になった場合は、新たに20万円の給付枠が発生しますので覚えておきましょう。
支給の方法は、「償還払い」と「受領委任払い」があります。
償還払いは、費用の全額を施工業者に支払い、後から申請により、保険給付分を市区町村から申請者に支給する方法です。
受領委任払いは、工事費用(保険対象部分)の1~3割を市区町村が受領委任払い契約をしている施工業者に支払い、市区町村が施工業者に保険給付分(7~9割)を支給する方法です。
住宅改修工事を希望する場合は、ケアマネジャーに相談してください。施工業者を選定して、施工業者に(1)住宅改修に係る見積書、(2)工事内訳書、(3)図面、(4)改修予定箇所の写真等の関係書類、以上を依頼して工事前に申請します。
事前申請をせず工事を行ってしまった場合は、対象外となりますので注意しましょう。また、老朽化のための工事や新築、増改築工事、住所地以外で行った工事も対象外です。