信号のない横断歩道で「一時停止しない」車。信号のない横断歩道での停止率は50%を下回るって本当?
信号のない横断歩道は、ドライバーにとっても歩行者にとっても注意が必要な場所です。信号のない横断歩道は歩行者優先の原則があるものの、多くの車が一時停止せずに通過してしまっているのを見かけることもあるでしょう。   本記事では、信号のない横断歩道での停止率や守れない要因、さらには道路交通法についても詳しく解説します。

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信号のない横断歩道での停止率は45.1%

JAFは2016年以降、毎年全国で信号のない横断歩道での一時停止に関する実態調査を行っています。2023年の実態調査においては、停止率は45.1%といった結果でした。50%を切る状態ですが、2017年調査では8.5%、2018年でも8.6%と横ばいの結果だったのです。
 
JAFはこの調査結果を公開し、それが社会問題として認識されるようになりました。交通安全運動や警察による取り締まりも強化された結果、2019年に17.1%、2021年で30.6%と徐々に一時停止率は改善されており、2023年には45.1%まで改善されていると分かります。
 

信号のない横断歩道で一時停止をしない要因

一時停止率は向上しているものの、横断歩道で横断待ちの人がいる状態で一時停止をせずに通過するドライバーは現状で半数以上いる状況です。ドライバーが一時停止しないのには、いくつかの要因があります。
 
京都府県警安全横断検討会議が2021年9月に出した「信号機のない横断歩道における歩行者保護を徹底するための取組みに関する提言」の中で、ドライバーが一時停止しない理由として、2017年にJAFが実施したアンケート結果を紹介しています。それは表1の通りです。
 
表1

理由 詳細
対向車の動向への不安 自車が停止しても、対向車が止まらなければ歩行者に危険が生じる
後続車がいない 自車が停止しなくても後続車がないため、通過後に安全に渡れる
歩行者の意図が不明確 横断歩道付近に人はいるが、渡ろうとしているのか判断できない