資産運用をしていて「40代」の運用成績はまずまずです。「50代」以降はリスクを抑えた運用方法に移行すべきですか?
Aさんは40代で資産運用を開始し、現在までの運用成績はまずまずだったということです。50代以降はリスクを抑えた運用に移行すべきかどうか悩んでいるそう。定年後の生活資金確保に向けてどのようにすればよいか考えてみましょう。

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運用成績の振り返り

現状の資産運用が50代以降の目標にどれだけ近づいているかを確認しましょう。具体的なチェック項目は以下の2点です。
 

(1) 年平均リターンが目標に対して適切か。

これは、運用会社の報告書などを見ればすぐに計算できます。冒頭のご相談内容だけでは、具体的な数字はわかりませんが、運用に取り組んでいる方の場合、3~5%の年平均リターンを目標としている方が一般的です。
 
3%の年平均リターンであれば順当かと思われますが、積極的なリターンを掲げていて例えば年率5~6%かそれ以上。それを実現している場合は、リスクをとった運用だと考えられます。
 
ここでいうリスクというのは「危険度」というのではなく「値動きの幅」ということです。これまでの結果がプラスに大きく動いたということは、今後同じ値動きでマイナスに動く可能性もあるということです。そう考えると、値動きの幅を抑えたほうがよいといえるでしょう。
 

(2) 保有資産のリスク分散ができているか。

運用にあたって心がけていく基本姿勢として、1つの資産に偏ってしまうと、その投資対象に売りが出た場合に大きく資産価値を毀損する恐れがあります。
 
分散投資しているつもりでも、株式だけとか、投資先は米国だけ、といったような資産や投資先に偏りがないかを確認しましょう。
 

必要資金の試算

老後資金の目安として、「生活費(月額×25年)+ゆとり資金」の計算式で算出しましょう。計算結果と比較して不足分を埋めるための目標リターンを計算します。
 
個々の想定生活費はケースバイケースですから、生命保険文化センターで公表している統計数値を使います。
 
一般的な生活費の内、公的年金などではカバーしきれない不足分が月額3.8万円と記載されています。また介護にかかる費用が調査の結果、月額平均で8.3万円、平均介護年数が5年1ヶ月ということなので、こちらをゆとり資金の必要額として算出します。