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2024年に米の価格はどれだけ高くなった?
米の価格の推移を測る指数として、「相対取引価格」がよく参照されます。米の相対取引価格は、農協などの出荷業者が卸売業者との間で取引する契約価格です。米の銘柄ごとに毎月発表され、9月分から調査対象がその年に作られた米に切り替わります。
農林水産省が全国米穀取引・価格形成センター入札結果と「相対取引価格」を基にまとめた「長期的な主食用米の価格の動向」によると、2024年産の米の相対価格の平均は11月までの速報値で「2万3388円」となっています(図表1)。2023年産の米の相対価格「1万5315円」に比べて、およそ1.5倍の数字です。
図表1
農林水産省 長期的な主食用米の価格の動向 より引用
また、総務省が発表した「2020年基準 消費者物価指数 全国」2024年11月分によると、米類の価格は前年同月比「63.6%」を記録しました。このように、複数の調査で米の価格が高騰していることが示されています。
米の価格が高くなった理由
2024年に米の価格がこれほど高くなった理由として、以下の2つが考えられます。
・米が不足しているから
・米の生産コストが高くなっているから
前年の猛暑などの影響で2024年は米の供給が少なくなっていました。一方で、外食産業やインバウンドによる消費が増えたことによって需要は伸びました。供給が需要に追いつかなくなったために、米の価格が急上昇したものと考えられます。
また、世界的なインフレの影響で米の生産コストが高くなっていることも理由の1つです。例えば、肥料原料の国際価格は2022年頃から高騰しています(図表2)。また、機械を動かすためのガソリンの小売価格も高くなっています(図表3)。
図表2
農林水産省 肥料の価格情報 より引用
図表3
総務省統計局 小売物価統計調査(動向編)小売物価統計調査 調査結果価格の動向 より引用
米の生産が減っていることに加えて生産コストも高くなっていることが、米の価格が高くなった原因だと考えられます。